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介護保険 商品

介護保険とは、主に公的介護保険のことを指し、介護による金銭的・肉体的負担を軽減するために厚生労働省が定めた保険制度のことです。
この保険は満40歳以上65歳未満の国民が被保険者となっており、被保険者から徴収した保険料と、国や市区町村の財源によって、介護サービスの利用料金の一部、または全額が負担されています。
負担対象となる介護サービスは多岐に渡り、施設に入所している介護者や在宅での訪問介護サービスのほとんどがこの介護保険の対象となっています。
また、車イスや介護用ベッドなどの購入費や、バリアフリー改築にかかる改修費用もこの保険を利用することによって給付を受けることができます。

論理的に考えると介護崩壊は避けられない

 「療養病床と医療療養病床を合わせて38万床を15万床に減らす」、これだけでシステムの崩壊は決まったようなもの。今でも介護を巡る悲惨な事件は後を絶たないのに、高齢者は増える、病床数は減る、在宅介護のスキームは穴だらけ・・・・、これではどうしようもない。
 表紙のおどろおどろしい本書であるが、中身はすっきりと客観的なタッチで介護の現状と将来を描き出しています。
 さわやかに書いても、おどろおどろしい未来が待っているのですが。

財源つまり「お金」の問題

介護の現場からの、生々しいエピソードの数々。介護疲れによる殺人、介護職場の過酷な現実、怪しい介護ビジネス、病院を追い出される老人、機能しない介護保険・・・それらの問題の根底に、財源すなわち「お金」の問題があることに、薄ら寒さを感じます。充分なお金さえあれば解決する問題なのです。介護は儲からないという事実を無視して「聖域なき構造改革」をした結果でしょうか。
事態は年々悪くなっています。「団塊より若い世代は、案外長生きしないかも」という観測が、喜ばしい顔で語られる国になってしまいました。安定した財源確保のための、累進課税や法人税の強化は、本当に禁じ手なのでしょうか。節税することしか考えていない、現代の「勝ち組」にも憤りを覚えます。

日本が混乱している理由

具体的で分かりやすい文章で、介護保険法改正からの高齢者とその家族がどんな状況に陥っているかを説明してくださっています。
ニュースで見たことのあるお話、介護の現場にあるものには常識的で「いまさら」というものもありますが、ここまで詳細に取材して整理してくださっている本はあまりありません。
差しさわりがあって、学者とかがなかなか踏み込めないことにも踏み込んでくれますから。
そして、超高齢社会の日本が混乱している理由もうかびあがるように書いていただいています。
国が国民ではなく天下り先の外郭団体に目を向けて政策をつくっているために、著者がおっしゃるように猫の目のように政策の方向性が変わり、さまざまな種類の施設がつくられ(この本にもありますが高齢者○○住宅とか、シニア○○とかすごく多い)、法律がつくられ、役に立たない法人がたくさんつくられる。
利用者にとっては分かりにくい、使いにくいだけで、政府がなにかやるたびに現場は混乱しているのです。
そしてそのたびに外郭団体に税金が流れ、天下り役人が左うちわ。
それがこの国の病気だということが、この本を読んで確信できました。

恍惚の人が街にあふれる

『介護崩壊』という表現はけっして誇張ではなく、現実であると思う。
筆者は、「虐待と介護殺人」「介護ヘルパーの犯罪」「介護離職」「介護喰いと表現される介護ビジネスの裏側」「業界再編」と、介護の世界全体が抱えている問題点を網羅的に上手くまとめている。
そして、「介護崩壊のカウントダウン」が今正に始まっていることにふれながら、「保険あってサービスなし」の危機的状況を厳しく指摘している。
惜しくは、今後発生するであろう「介護難民200万人」に対して、どのような解決策があるのかについて、やや主張が欠けている感じがする。
しかし、最終章の表題である「恍惚の人が街にあふれる夢を見た」の中で、筆者が過去に経験し、また今身近なところで起きている、介護地獄の描写には共感するところが多い。
「晋遊舎ブラック新書」という、少し怪しい感じがするシリーズの中にあって、介護の現状を細かくルポして、正面からこの問題に取り組んでいる本書は、少し異色で面白い。
これから親の介護などを真剣に考えなければならない層には、ただの介護保険解説書にはない、面白さがあると思う。